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パワーアンプその2

 知人のところからスピーカをもらってきたついでに、パイオニアM90というピュアオーディオのパワーアンプを預かってきた。2年位前に電源が入らなくなってそのまま置いてあったというもの。多分基板上のヒューズが切れているのではないかとダメ元で中を覗いて見ようと思った。

 とりあえずACケーブルを繋ぎスイッチを入れるが反応無し。やはり筐体を開けて中を確認しよう。アッパーパネルの一部分とリアパネルのサビがかなり酷い。まず木製のサイドパネルを止めているヘックスボルトを緩め取り外す。次にアッパーパネルを取り外そうとしたが、リアパネル側から止めてあるネジがサビて固着しておりドライバーではネジをなめそうで外せない。仕方なくペンチでネジ頭をしっかりと挟み、左に回すようにうんと力を入れると固着していたネジが少し緩んだ。この状態でドライバーを使うとすんなりとネジは外れた。アッパーパネルを取り外し中を覗いてみると、銅プレートで覆われた内部は綺麗だが、アッパーパネルやリアパネルの鉄部分がサビていてというより腐食していて、その鉄部分についている銅部分も変色し始めている。錆びた鉄粉や細かい鉄片が内部に大量に落ちている。それほど多くは無いが誇りやネコの毛も入っている。それらを掃除機で吸い取り、基板を見てみる。左右にあるアンプ部分の基板上に0.8mAのミニヒューズが2本ついているが切れていない。リアパネル側の隙間に電源関係の基盤があるようだ。上から覗いてみるとヒューズらしきものが見える。ヒューズ切れを確認するためにはその基板を取り出さなければならないが、隙間は狭い。銅パネルにプラスチックのスペーサーでフローティングマウントされている基板を外すには・・・。何のことは無い、リアパネルを外せばいいじゃん。リアパネルを外すべくネジを緩めようとするが、何本かサビで固着している。とくにスピーカケーブルを接続する端子部分のサビがすごい。なんとかネジを取り外しリアパネルをはずすと、内側のサビも結構ある。さっき掃除機で吸い取ったサビた鉄粉や鉄片だが、リアパネルをはずすとまた大量に落ちた。
 さて基板を取り外し、基板面のヒューズを確認すると、8Aのミニヒューズが2本ついているが1本が切れていた。手持ちで8Aはないので買いに行かなくては・・・。ホームセンターを3軒ほど回ったが、レギュラーサイズではあったのだがミニヒューズで8A、0.8Aのものは置いていない。仕方ないので10Aと1Aのミニヒューズを購入。

 基板を見ていて気がついたのだが、基板上にある沢山の電解コンデンサのうち少し大きめのコンデンサのビニールコーティング(?)が熱で変形してコンデンサの地肌が見えているものがあったのと、基板表面にフラックス(?)がこげ茶色に変色し固まっているところを何箇所か見つけた。マイナスドライバーでつつくとパリパリと割れて剥がれる。これが抵抗やダイオードをコーティング(?)したようになっているところもあった。あまり細かくは見なかったがハンダ面の不良は無いようだ。コンデンサは寿命があるので本当は交換した方が良いのだろう。基板の端子部分にワイヤーを巻き付けて留めるラッピング処理されている部分がたくさんあるが、これもハンダで埋めておいた方が良いのかもしれない。とりたててヒューズが切れた原因になるような問題は基板上に見つけることは出来なかった。コンデンサーやトランジスタ、ダイオードなどの内部崩壊があれば見ただけでは判らないが・・・。振動などでサビた鉄片などが落ちたときにどこかを短絡させて、ヒューズが飛んだのかもしれない。

 基板上のヒューズを買ってきたものに全て交換し、内部に錆びた鉄粉や鉄片が無いことを確認しスピーカ、入力にMDプレーヤー、そして電源コードを繋ぎスイッチを入れる。ヒューズもとばず無事電源が入った。リレーの作動音がして音出しOK。ボリュームを少しづつあげると、前面のインジケータが光り、左右のスピーカから音が流れ出した。ヒューズの飛ぶ気配は無い。電源を切りパネルを組みつけようと思ったが、あまりにサビが酷いのでサビ落としをすることにした。アッパーパネルとリアパネルを外に持ち出し、ワイヤーブラシでせっせとこすってサビを落とすが、全てを落としきれない。このまま組み付けたらまたすぐにサビが進行してサビの鉄粉や鉄片が悪さをしそうなのでワイヤーブラシをかけた部分に塗装をすることにした。本当は耐熱塗料のほうが良いのかもしれないのだが手持ちに無かったので、普通の黒ペンキを刷け塗りした。少しはサビの進行が遅らせられるのでは・・・。

 塗装はすぐに乾いたのでリアパネルを元通りに組み付け、再度音出しのチェック。暫く鳴らしたままにしておいたが、最初はシャカシャカとした音で「なんだ?」って感じだったが、暫くすると艶やかな音になった。まぁメデタシ、メデタシってところだ。

6月21日追加:

 何日かして、最後の確認をしようとスピーカ、MDを繋ぎ電源を入れ再生させたところ、右チャンネルの音が出ない(@@)
この間もターミナル部分の接触が悪く、ターミナルを締めなおすと音が出ていたのだが、今回は右側のヒートシンクも熱くならないので右アンプに通電されていないようだ。筐体を開け、リアパネルも外してヒューズを確認するが切れていない。スピーカ端子のラッピング処理部分をハンダで留めてみた。
リアパネルを元に戻し電源投入。やはり右から音が出ない。スピーカ端子を触ったら右アンプ用の電源トランスの1次側部分でパチッと火花が出た。即電源を切り、火花が出たトランスを見ると、ラッピング処理されている単芯ワイヤーが折れていた。この断線で右チャンネルに通電されず音も出なかったのだ。折れたワイヤーの被覆をはがしトランスターミナルに2回転くらい巻きつけ、さらにハンダで留めた。大事をとって左右アンプ用トランスの1次側のラッピング処理部分にハンダをしておいた。この状態で電源を入れると左右両スピーカから音が出た。筐体を元に戻し再度音だし確認するとストレス無く両側から音が出た。さっきは熱くならなかったヒートシンクも熱くなってきた。ヤレヤレ(^^;

2006.06.17 Saturday 21:13   |   おぼえがき > その他

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